カテゴリー: スピーカ修理
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10年程前は、高値の花であった、ボーズのスピーカも、ネットオークションで安く手にいれることができるようになりました。
昔から、あこがれていた物だけに、大人になった今でも、一度は、手にしたい物です。
ですが、古い物となると、エッジ部分が、えらいことになってしまうものが、ほとんどです。
今回、ボーズスピーカの中でも、定番、301シリーズの初代モデルをネットオークションで、手に入れて、修理してしまおうと思います。
とりあえず、箱と電気的な部分がそれなりに無事そうな物をなるだけ安く手に入れます。

僕の場合、\5020で、この条件に見合う物を落札できました。 しかし、301が、この値段とは・・・。



とりあえず、取引が終わり、無事届きましたところで、音を出して状態を確認します。
オークションのコメント通り、ウーファ、ツィータとも、しっかり、出ています。
しかしながら、エッジから漏れている逆位相の音で、1000Hz~2000Hzあたりの音が、かなり聞こえにくくなっているようです。
当然、この状態で、満足できるわけがないので、この破れたエッジ部分を交換しましょう。
このエッジ、かなり薄いウレタンで出来ているようで、非常にもろくなってしまっています。 すこし、触れただけで、ボロボロと朽ちていきます。
色々とネットを調査していると、この手の修理をやっている先輩方の情報を見つけるわけですが、301を修理したというページは、ないようです。
だからこそ、このページを書いてみたんですけどね。 誰かの役に立てば良いのだが・・。
それはさておき、日本では、このエッジ部分だけを手に入れるなんてのは、普通の人には、なかなかできないようで、オークションで流れている物を落札するぐらいしかありません。
しかしながら、これが、結構な値段で、左右で6000円ぐらいするんですね。 これじゃ、本体の方より高くなってしまうので、ちょっと、やだ。
ということで、海外のサイトで、http://www.speakerworks.net/kits.html スピーカネット?? こんなのが、あるんですね。
他のページの方々もお世話になっているようでしたので、注文してみました。 ちょっと、怖かったですけど、日本にも送ってくれるようでして、しかも、安いんで。
ボーズ301の場合、8インチサイズが、丁度良さそうだったので、注文しました。
この時に、「Angled Inside Edge Surround」のタイプを選びましょう。 詳しくは、ご自分で調査してください。
普通のネットショッピングみたく、カゴに入れて、住所かいて、カードで払います。
カード番号を記載しなくてはいけないので、ご自分の責任でしましょうね。
ということで、注文をすると、メールで、注文確認が飛んできて、2日ぐらいで、発送しましたとメールがきます。
全部で、19ドル + 送料 8ドルぐらいだったと思います。 当然、左右1セットでね。 かなり、安いですよね。
すっかり忘れた頃、2週間ぐらいで、黄色い封書みたいな物に入って届きます。




サイズを合わせてみたところ、ピッタリ一致します。 これには、ちょっと、びつくりしました。
あっ、別にジップロックには、入ってませんよ。 これは、保管用に当方が入れたまま撮影しただけです。


 さて、とりあえず、ウーファを本体より取り出してみます。

外し方は、まわりのネジを外せば、取れます。
ネットワークから配線されているケーブルを外した方が作業しやすいので、とりあえず、外しときます。
半田付けされているのではなく、端子に結びつけられているだけなんで、ペンチでも使ってはずしましょう。
取り出した、ウーファの周りには、紙っぽい素材の物が貼り付けられているので、これは、なんとか、外すというより剥がします。

この紙は、後で、戻す時に使うので、綺麗に剥がしましょう。
別に破れても、作れる人は、いいんでしょうけど、当方は、面倒臭かったので、再利用しました。


せっかくなんで、301の中をちょっと、覗いてみましょう。
何か、ランプみたいなのが入ってるんですが、噂では、余分な電力をこれに流すと聞いたことがあります。

さて、これからが、エッジの張替えになります。
とりあえず、古いエッジを手とか、マイナスドライバとかで、剥がしまくります。
この作業は、慎重かつ大胆に行いましょう、おそらく、この作業で、出来上がりに差がつくと思います。
綺麗にエッジを剥がしたところに新しいエッジをのせていきます。
とりあえず、コーンの周りにボンドをのせて、エッジにも多少ぬります。
この分量が非常に難しいのですが、つけすぎると、コーンまではみ出てきて、仕上がりが汚くなってしまいます。
だからといって、薄すぎると、すきまが出来てしまうので、音に影響が出るかもしれません。
最初に一部分で試してみて、分量を確認してから作業を行う方が良いでしょう。
ということで、エッジの内側をくっつけた状態です。

ちょっと、ボンドがはみ出してます。 みなさんは、こうならないようにしましょう
あと、コーンがしっかり中心にくるように、細心の注意が必要です。
手でコーンを押してみて、何かにぶつかるような感じだと、非常によろしくないので、位置決めの時に十分、気を配って下さい。
今度は、エッジの外側と金具をくっつけます。内側の時とどうように、ボンドをエッジと金具にぬり、くっつけます。
ここでは、多少はみ出しても目立たないんで、大胆に行います。
外側は、どうしても、エッジが浮いてしまうので、重りで押さえつけて乾かすことにします。
ここで、先ほど剥がした紙が活用されます。
剥がした紙をエッジの外周にそって配置し、上に重りになりそうな物で押さえつけます。

なかなか、凄い絵ですが、我慢して下さい。
これで、2時間程置いておくと、結構、いい感じに固まってました。
最後に、紙を金具に貼り付けるんですが、とりあえず、表面に新しい、ケント紙を貼り付けて綺麗に仕上げてみました。
器用な人なら、新しく製作するのも良いのでしょう。

ということで、1日程度、乾かしてから、音出しで、感動してみます。
最初は、しっかりと低音がならないようですが、1~2時間程度で、本来の音が出てきます。
こうなると、普通にスピーカを買うより、愛着が湧いてより良く聞こえるような気がします。
今度は、301AVでもリペアしてみたくなりました。
では、みなさんも、楽しんで下さい。